バレンタイン事件
今週のお題「バレンタインの思い出」
自分が中学生の時でした。
当時自分にとってのバレンタインは、もらったらホワイトデーにお返しする、つまり、友チョコも何も作らない主義でした。
そもそもそれほどバレンタインで友チョコもらうほどの友人がそれほどいないし、その少ない友人も似たような主義でした。
チョコの交換っていうものにあまりこだわらず、もらったら、まあ、返す。
その程度で十分でした。
正直、クラスの女子の関係がドロドロだったのでそれほど好きになれず、
失礼ながら仲良くない人からあまりおいしいとは言えない手作りの義理にすらならないチョコとかもらう方もあまりいい気分ではないと思ってました。
それより、なんでみんなテスト近いって言うのにあんなにチョコを作れるのか不思議……
そんな随分とひねくれていながらももらったものは食べる自分の元に、珍しく仲がいい子(仮名でキキョウ)が教室の前で手招きして自分を呼びました。
キキョウ「あのさ、バレンタインだから、お菓子作ってみたんだよね」
自分 「あ、へえ、今年は作ったんだ?」
キキョウ「うん、作ってみた。だから、あげるね」
自分 「ありがと~、ホワイトデーに返すね」
そう言って自分に綺麗な包装紙とはかけ離れた、キッチンペーパーにくるまれ、小さなビニールの袋に入った”何か”を自分に渡し、彼女は自分のクラスに戻りました。
随分と雑なくるみ方だな、おい、と心の中でつっこみつつ、それを家に持ち帰りました。
そして、おやつに食べようとそのキッチンペーパーを開けてみました。
二色のういろうが入ってました。
自分は目を疑いました。
バレンタインデーにチョコというものを無視して、ういろう。
まさかのういろう。
何故にういろう。
これを作ったのか、なんで作ろうとしたんだ、ういろう。
あと、桜色と抹茶に挑戦したんだ、ういろう。
自分は次の日に隣のクラスにいるキキョウの元に行きました。
キキョウ「え、どうしたのリンゴ?」
自分 「……あのさ……」
キキョウ「?」
自分 「おいしかったけど、なんでういろうなん!?何故昨日チョコレートという流れに逆らった!?まず、和菓子じゃね、あれ!?」
キキョウ「おいしかったのか、よかったぜ。ん~……いや、友ういろうなんてどうかと思って」
自分 「何故!?だから何故ういろう!?チョコとういろうの関係がお菓子以外に見えてこないよ!?」
キキョウ「作りたかったんだも~ん……」
そう言って、キキョウはまたいつも通りのマイペースさんになりました。
友ういろう。
もし、はやったとするのなら、確実にキキョウのせいでしょう。
自分を洗脳されただけの一般人というわけのわからないことを言う不思議な友人キキョウ。
彼女とは高校は違いますが、今でもちょこちょこカラオケではっちゃけ、数少ない友人の一人として仲良くやってます。
編集後
何か面白かったようでありがたいです。
彼女の妹も「めんどくさいからういろうにする」などと言っています。
いや、だから、バレンタインに何故チョコというものを無視するの、何故に和菓子に、ういろうの方がめんどくさい気がするが?
などとツッコミどころは相変わらず満載です
ちなみに、彼女はこのバレンタインを「大和撫子事件」と名付けています
理由は不明です