ホラーフリーゲーム 感想6
『もしも死、ねえ』
・あらすじ
主人公は家に帰ると電話が鳴る。それに応じるとそこからは……。
・感想
最初、え!?ってなりましたね。エンドが早すぎて。え、これで終わりなん!? とつっこみつつも見ていましたが、なるほど、面白いですね。一つ一つのエンドから、次のエンドに変わっていくのです。毎回毎回部屋が何かしら違いますし、何かが動いたり音がしたり。
ですから、エンドが非常に多く、把握しているだけでも23,4個ほど。
主人公が様々なエンドを迎える中、だんだん主人公の身に起きたこと、そして、主人公の部屋にいる、近づいてくる「何か」がわかってきます。
操作はさほどいりませんし、謎解きもない。ただ、エンドを探せばいいだけ。
進めていくうちにタイトル画面も変わってきて不気味さがいいですね。
個人的にはハッピーよりバッドな感じの後味悪いエンド集が好きでした。
『猫座敷』
・あらすじ
町はずれの無人の館。そこにはお化けがでるという噂があった。
……なんていうどこかで聞いたことある噂に興味を持った幼馴染達と引きずられるように連れてこられた主人公。
ところがそこはお化けがいないどころか、ちゃんと人が住んでいる。
そこの主人である少女に噂を消してもらいたいから、お茶して帰って下さい、と言われその屋敷に入る四人。
しかし、そこには喋る猫達と、化け物のようにでかい人食いの猫たちがいて……。
・感想
正直、ホラーかと言われれば、違う。ホラーっぽい要素はあるけど、ホラーじゃない。ヤンデレ少女と化け猫は確かに怖い。怖いけれど……それ以上にこの幼馴染たちと主人公のやりとりや、ちょいちょい入るネタがおもしろすぎる……!!作者さんすごいふざけてる……!!
その反面、謎解きや大雑把な流れはスムーズでいいですね。詰みにくい。わかりやすいですし、逃げるのも難易度が低め。キャラのデザインも好きですし、何より猫好きの自分にはたまらぬ作品でした。
真エンドも最後まで爆笑させていただきましたし、ふざけたエンドも面白かったです。時々見えるちょっとした悪意や狂気が怖かったですけど。
『物念世界』
・あらすじ
とあるお祭りに来た少女凛。店の人たちはみんな仮面をかぶっていて、変わったお祭りだな、と思いつつも、お父さんに人形を買ってもらった。
家に帰ると凛はお父さんが買った花札と、買ってもらった人形を眺め、眠りに就いた。
ところが、その夜、妙な物音に目をさました凛。物音の正体を探すと、なんとそれはお母さんがお父さんに買ってもらった綺麗な手鏡で……。
・感想
ひとこと言いたい。風景が非常に美しい。個人的に風景などは割と素材だったり、手書きでもざっくりしていたりが多いです。でも、このゲームは風景が非常に凝っていて、煌びやかでしたね。鳳凰が出てくるシーンではうおお!?っと感動してしまいました。
物には念がこもる。だから、物を大事にしなければいけない。物にも心があり、物にも悲しみや怒りがあるのだから。
凛が入っていったのは、人に大事にされず、捨てられ、人間を憎んでいる物たちの世界。そこで、凛の優しい心が物たちに浸透していきます。
……というより、凛ちゃん、ただのアホの子な感じがするんだけどな……。個人的にこの子大好きです(笑)
さほど難しい謎もないですし、びっくりもないので、興味を持ったらぜひ。
『クロエのレクイエム』
・あらすじ
ある夜、御者に大量のお金を渡して馬車で遠くまで来た少年ミシェル。そこで、彼はクロエという紫色の瞳をした少女に出会う。無邪気な笑顔の彼女はこの館の呪いを解いてほしいと彼に頼むと、彼は承諾。
この館で起きたことを見ながら、呪いを解いていく。
・感想
クラシックが基本BGMとして使われ、それだけで嬉しいですね。
全体的には簡単ですかね。わかりやすいバッドエンドへのトラップあります。ですが、簡単にも関わらず、ぞわっとさせる演出が好きです。真っ赤な手形とか何かが映るとか、肖像画が一瞬にして変わるとか、気持ちが悪い。
グラフィックが可愛らしく、クロエちゃんが自分の好み。ミシェル君も、ポーカーフェイスが崩れた時の表情いいです。
どこか狂っている家族たちに囲まれ、自らも歪み耐えきれずある日プツンっと切れた二人が悲しすぎます。特にミシェルが歪んだ理由が、大好きな双子の弟の自分への嫉妬と、愛されずに大人に利用されるだけ利用される、という天才ゆえの悩みと苦しんだから。
これは良作です。難しくはないので、クラシックが好きな人はぜひぜひ。
『霧雨が降る森』
・あらすじ
20歳の自分の誕生日、神崎詩織の両親は事故で亡くなった。色々あったのか両親に親戚はなく、ひっそりと葬式は行われ、その後の数日間神崎は両親の遺品を整理していた。
天涯孤独の身になった神崎が黙々と家族の遺品を整理していくと祖父らしき人と両親と幼い自分が写った写真を見つける。寂しさを満たす為に写真に書いてある住所と写真の背景にある建物を元にその場所を目指す。
資料館となっていたそこで出会ったのは喋ることができない須賀という管理人の青年で、彼は彼女に忠告する。
『森に決して入るな』
と……。
・感想
須賀君がイケメン過ぎてとにかく悶えたゲーム。ホラーとしてはそこそこの怖さ。5つのエンドどれも魅力的すぎるし、真エンド以外がすごい切なかったです。神崎さんと須賀君のこと知った時、2人の関係にときめきましたね。
というか、須賀君何気優しいし、神崎に何かあったときに真っ先に心配したし、カッコいいし、ツンデレ過ぎてもう色々辛い。何須賀君男前じゃないですか((落ち着こう
ストーリーはそこまで長くなく、キャラも少な目。謎も簡単ですね。ただ、ちょっとホラーの傾向としては気持ち悪いかも。演出が少し好き嫌い分かれるかもしれませんね。
全体的にちょっと重めでしたが、いいですね。泣ける。須賀君本当に好きすぎて辛い……!!