NORMAL ABNORMAL プロローグ
この世界は二種類の人間がいた。
一つは「ノーマル」。この世界の人口の8割以上がこの人種だ。肌の色、髪の色、使う言語、持っている文化に関わらず、魔法を使うことができるごく普通とされる人間だ。
もう一つはその異質な能力と見た目から、「アブノーマル」と呼ばれた。
アブノーマルは何故生まれたかはっきりとはわかってはいない。その異質な能力や見た目から「族」に分かれ、多くの「族」は魔法と引き換えにノーマルではありえないことができた。
鳥族であれば翼を持ち、空を高く飛ぶことが可能だった。
犬族であれば鋭い五感と脚力を持ち、ノーマルの倍の速度で走ることができた。
魚族であれば水かきとエラを持ち、魚のように水中で呼吸をし、泳ぎ続けることができた。
しかし、1500年、ノーマルはアブノーマルを差別してきた。ノーマルとはあまりに違いすぎ、あまりに異質な能力を持っていたため、アブノーマルは恐れられ、迫害され、逃げてまわるしかなかった。
これは、そんなアブノーマルの差別を禁じる法律ができて数百年経つ頃、ゴーグルをしたアブノーマル竜族の男と、美しい顔立ちのノーマル剣士の少年、そして、紫雨色の目をした記憶のない少女が、小さく世界を動かしたお話。
To Be Continued……
数年前の話なんで、ちょっと書き直します。