Gray City〜灰色の街〜 プロローグ
最初に宣言しておこう。
これは、バッドエンドである。
彼が救われることはない。
彼の存在は、誰も知らないだろうし、まして覚えてなどいないだろう。
だが、彼は存在したのだ。
それならなぜ私が覚えているのか?
詳しく言うと、私も最初は彼のことなど覚えてなどいやしなかったんだ。だが、思い出したんだ。
彼の手帳に記されていたメッセージによってね。
まあ、いい。
そこに腰かけなさい。
この星にまつわる、大事な大事なお話さ。
そう、これは……
青く美しいこの星が
灰色に変わっていく悪夢を彷徨う彼のお話なんだから……