フリーホラゲーを呟く会

ホラーフリーゲームの感想を不定期に呟く。時々痛い小説があったり。

マリオネット 合作1

ひよりsとメールしまっくていくうちに、一つの小説が出来上がってしまったので、全て掲載しておきやす!
剳乱様視点がひよりs、エルク視点がオレです!ちなみに、マリオネット、マリオネットにあるコメント、マリオネット 続、そのコメント、マリオネット 返答2、の順に読むことをおすすめします!
あと、割と病んでるので、そういうの苦手な人はバック!



剳乱

「……できるかどうかは別として、不思議な発言だったな。
人間とも人形とも思えない不思議な……。」

そう言って彼、エルクくんは相変わらずの無表情のまま黙ってしまった。
僕は彼の表情をじっと見る
彼の表情は仮面を張り付けたみたいに無表情で綺麗だとさえ思えてくる。それほど見事に表情を崩さないのだ
僕も彼のように無表情を顔に張り付けている子を知ってるけれど
あの子は感情を圧し殺してるだけ。エルクくんとは違う。だってエルクくんは圧し殺す感情がほとんど無いんだから
でも僕に言わせれば偽善なあの言葉を不思議だと言って気に留めてるあたり皆無という訳ではないらしい

でも、彼の言葉と人間がこんな風に感情を無くすような生い立ちを考えれば、なんとなく彼がされてきたことを想像はできる
それをする側はさぞ楽しかっただろうなぁと思ったけれど口には出さなかった

もしも彼に今幼い頃に受けた仕打ちをリピートする幻術をかけて魅せたら
彼はどんな反応をするのだろう
彼に微かに残る感情すら奪いさったら彼は一体どうなるのだろう
そう考えただけで口元の笑みは深くなる

それに…


彼の切り落としたいくらい真っ赤な髪とえぐり出してしまいたいくらい綺麗な緑の瞳。
こんな綺麗な人形、なかなかお目にはかかれない


くすっ と思わずまた笑いが込み上げた
どうやら僕はとことん
この滑稽な人形を気に入ったらしい

「あぁ〜、成る程♪
そういう意味だったんだ
どっちも人間じゃないなんて凄いこと言うね〜
でも、そうやって感情を自ら圧し殺したりするのは人間特有で“人間”らしい行動じゃないの??
あはは、っていうか
感情もない君がそれについてこんなに僕と討論してる時点で爆笑ものなんだけどねぇ〜♪
君(人形)には一生分かりやしないよ、人間たるものが何かなんて

君間違いなく囚われてるよ、僕からしてみれば下らないものだけど、けっこう皆囚われて勝手に朽ちていく…♪
君の場合は朽ちてくことも抜け出すことも叶わず…ってかんじ?
くすくすっ、さて、君は朽ちるのかな?抜け出すのかな?それとも誰かが助けるのかな?

認められないのは結局君が“人間”たるものになりたいっていう象徴じゃない?
君はなりたいんだよ

その君の言う動物らしい行動をする感情ある人間に

差別されることも、けなされることも無い人間に

君は君の世界でいう“ノーマル”に
べつに“ノーマル”になりたくは無くとも
ノーマルのように尊厳と人権と権利ある存在に


クスクスっ、いいじゃない
異常が普通に強者が弱者にその逆しかり、そうなりたいのは極自然な願望だしね
よかったねぇ、一応君は人形だけど
意志と願望ある人形だったみたいだねぇ〜


でも、僕が一つ疑問に思うのはね
どうして君はそこまで自分の醜さとを自覚してて
人形だと自覚してて
この世界が下らないことも自覚してて
とどめに自虐的な癖に死なないの??

おまけに人類なんて誰一人として生きてても
価値なんてないのにさ」


いつもの調子で笑って彼を見た。
感情ある人間にはよく嘘くさいだとかうさんくさいだとか狂気じみてるだとか色々好評な僕の笑みが感情のない彼にはどう映るのだろうか、まぁ人形からの観点なんてたいして興味はないけれど。


エルク

ぞくっとくる何かを感じる。別に怖いとか、そういうのじゃない。…そもそも怖さなんて薄れてしまっているけれど。
気持ち悪いのだ、この目が。このうっとうしい程の笑顔が、とてつもなく、気持ち悪く思うのだ。理由?ないよ。直感。
ゆっくりと息を吸う。考えようとすればするほど、混乱してくる。感情を失ってから、そんなこと、ほとんどなかったけれど。
考えてしまう。考えても無駄なのに、そして気付く。言い返そうと考える自分に。
なんで言い返すんだ?素直なこと言っているはずなのに。
…いや、素直なんかじゃない。何か気持ち悪い何かを吐き出そうと藻掻いてる。でも、藻掻くほど苦しくなる。何か言われるたび、気持ち悪さが全身を覆う。
結局…またオレは誰かの言うこと聞いて、納得して、自分はそうだと植え付ける。…また、だよ。
でも、言えることはある。オレは口を開く。
「死ぬ必要がわからない。なぜ死ねと?だからと言って死んでも、意味がない。…というか、それで死ぬのがバカバカしい。
…この世界に絶望しているなら別だ。…不幸な事故があったわけでも、何でもないし、死にたくなる思いをさせた連中は消した。その中で、死ぬ必要は?」

オレがお前をどう思っているか?…簡単だ。
わからない。
わからないからこそ…気持ち悪い。


剳乱

「ふぅん、死に対しては積極的じゃないんだぁ」

くすっ と笑うと僕は彼に微笑んだ
「死」にたいしては必要を感じないらしい

「残念だなぁ、死にたい願望があるなら僕が殺してあげようかなぁとかおもってたのにぃ」

まぁホントは殺すなんて勿体無いことはしないけれど。

僕は彼の緑の瞳を見つめる、するとなんとなく彼の瞳が揺れてる気がした


「でもまぁこの前も死にたくなったら死ぬっていってたもんねぇ〜」

なんとなく
彼を試してみたくなった僕は


「くすっ」




彼の喉元にメスを向けてみた


「じゃあしつもーん
感情のない君はこういう時はどうおもうの?」


エルク

喉元に突き付けられたメス。その冷たさは喉を通して伝わってくる。
その冷たさと脆い鋭さはどこかざわめつかせる。
知ってるこの感じ。遠い昔、どっかの誰かにされたのと全く同じ。突如蘇ってくる幼い記憶。
「殺サナイデ」と泣いて、泣いて、笑われる。そんな幼い記憶が頭をよぎっていく。
すごい頭痛が襲ってくる。気持ち悪さは一層増してくる。
「…1人になりたいな」
自分でさえも聞こえないくらい小さい声でつぶやく。
自分では気が付かない、小さい笑いをほんの一瞬だけ、この無表情に浮かべて。



続く……