ストスト資料3
あらすじ
犯人、哀れ
インとエルクは途中迷っている犯人を見つけ、ケンカを中断した。全てはお前らが元凶だ、と言わんばかりに殺気を放ち、インはボールペンを、青葉は腰に持っていたサイレンサーつきの銃を二丁抜いた。あはは、もう、なんていうか、やりたい放題にも程ていうものがあるんじゃないですか?なんですか、これ?インさんも先生も凶器以外何物でもないじゃないですか。インさんのボールペンが凶器になるとは予想外すぎるんですけど。
楓のその心の言葉に二人が反応するわけもなく、犯人に向かってダッと駆けだす。犯人に至っては既に戦意喪失しているのは明らかで、情けない声を上げて背を向ける。
人間ワザとは思えない異常な速さで2人が走って追いかけていったのは言うまでもない。
楓は犯人の身を案じる。どう考えても自分が追いかけて追いつく速さではない。そして、この殺気。うん、どうしろと言うんだ、僕に。
「……」
楓は一つ方法を思いついた。だが、彼は一瞬ためらう。それは、彼が隠したいことの一つであるからである。自分がここに寄越された理由も、この隠したいことを隠さずにいられる、と両親に言われたからだ。
いずればれる……ならさっさと今、覚悟し、犯人の命を最優先しよう。
そう思い、楓が構えた時だった。
インが、青葉に対してボールペンをくらわす。しかも、さっきのあれ同様、突き刺すように、明らかな殺意と悪意を含んで。それに気づいた青葉は急に足を止め、殺気だった目でインを見、インの足元に向かって銃を的確に発砲する。インはそれを軽々と避けるものの、足止めされた結果となる。
青葉は見下すかのようにインを見る。インはへラッとした顔で青葉を見ている。火花が見えるぐらい、2人はにらみ合っている。
「……てめえ、なんで邪魔した……?」
「貴様がオレの獲物を奪おうとしたからだよ♪邪魔な奴は先に消したほうが楽だからね、後々」
「……オレのホルマリン漬けの材料を何奪ってんだよ……」
「貴様こそ……アイツはオレが解体して……」
僕は今日程、犬猿の仲っていう関係に感謝したことがない。何故かって?こんなくだらないことしている間に犯人が逃げ切ってくれたからさ。よかった……この二人がバ……ゲフンゲフン
楓は一触即発状態の二人をチラッと見て、反対方向に駆けだした。
一刻も早く、犯人を捕まえなければ……この二人の手に渡すのはあまりにも危険で、犯人に同情しかできないだろう。
楓が犯人を探して三階に登りきった時だった。突然後ろからポンッと手を置かれる。ビクッとし、楓が何とか悲鳴を押さえ、後ろを向く。黒い髪のポニーテールの少女がシッと口に人差し指を当てながら立っていた。
「空野さん!!」
「ライナでいい。……犯人はあと5,6人。1階はイン達がいる時点で大丈夫、2階もミナ先輩とマナ先輩がいるからいない。
……3階4階にいるはずだ」
「……ミナ先輩とマナ先輩……?」
「男子の服脱がしが趣味の解剖部部長と、機械部部長のためなら鉄パイプで校舎半壊させる草食系女子」
「説明ありがとうございます」
そこに関してはあまりつっこんではいけない気がしてくる。
楓はふう、とため息をつく。ライナは刀を抜く。キラリとした刃が光り、それにビビっていてよく見ていなかったのだが、よく手入れがされている。それに、あまり刀については知らない楓でも、この刀がいい刀だとわかるほど、その刀はどこか魅かれる。
じっと刀を見る楓にきづいたライナは、ふんっと軽く鼻を鳴らす。
「……じいちゃんの形見。……名刀っぽい」
その刀を持ち、ライナは歩き出す。あ、後ろから見るとなんかヤバい人だ。楓は女の子の前であることも考え、口にはしなかった。
にゃー意外と長いよ、これwwwww
まだまだ続くよ