マリオネット 続

……ああ、なるほどな。
オレはうなずく。確かにコイツの言っていることはなんとなくだが、わかる。別に否定したいともなんとも思わない。あのやりとりを知って、そう思ったというのなら、コイツにはオレはそうやって見えたんだ。
人間になりたい、か。
なあ、素朴な疑問だが、いいか？
「人間」って、なんだ？
別に何か意図があったわけでもないし、ひねているつもりはないが、「人間」ってなんだろうな。ああ、オレは気になったことは口に出すんだ。じゃないと何を考えているかわからなくなるから。
オレが誰に操られているか？　さあ、そんなの知らない。案外、自分自身にだったりしてな。どっちにしてもオレが滑稽な奴には何にも変わりがないけど。
醜いことは自覚しているしな。
そうやって考えると、アイツらを思い出す。あの竜族と、子供とヒカリのことを。
アイツらは人間らしいよな、って思う。別にこれといった特徴があるわけじゃない。自分の感情に素直な連中だな、って思っただけ。
アイツらには心が宿っていると思えるんだ。どんなときも、何があっても、自分の感情のままに、自分の思うままに生きてるな、って。それがとんでもなく羨ましく、妬ましく、でもどこか悲しく思える。
オレが思う人間らしさがそれだと言うなら、オレはきっとなれやしないし、なろうとも思えない。その感情のままに生きることをオレは知りやしないから。それになりたいというのなら、本当、救いようがない。
……なりたいように見えるのか？　だとしたら、何とでも言えばいい。笑われることにも、けなされることにも慣れてるから。好きなだけ笑えよ、滑稽なオレを。まあ、お前のことならそんな価値もないと言うだろうけどさ。
話がずれたな、戻すことにする。
「人間」と言える連中がこの世には何人しか存在しないんだろうか？　アイツらの人間らしさが仮に「人間」とするのなら、そんなことを許される奴らが、そんなことできる奴らが、何人いるというのだ。
違うことに縛られ、それさえできない人間が何人もいる中で、どれだけ人間と呼ばれることができるのだ。
そう考えると、案外、人形の連中の方が多いのかもな。
別に安心なんてしてやしない。他人であることになんも変わりがない。

それと、考えるのめんどくさくなったら再利用してやるとかいったな。
安心しろ。
その時は生きること自体めんどくさくなっているから、そんなことする前に死ぬさ。
死にたい時に限って死ねないのは、オレもよく知っているけどな。

fin

コメントありがとう、ひよりさん！
てことで、エル君の返答書いてみた。